当研究室 青木 寛泰さんの総説がFrontiers in Immunology誌に掲載されました。
当研究室 青木 寛泰さんの総説がFrontiers in Immunology誌に掲載されました。
Revealing Clonal Responses of Tumor-Reactive T-Cells Through T Cell Receptor Repertoire Analysis
Hiroyasu Aoki, Shigeyuki Shichino, Kouji Matsushima and Satoshi Ueha Frontiers in Immunology 2022 January 27
抗腫瘍免疫応答を評価するための手法の一つであるTCRレパトア解析における、最新の解析手法について記述した総説です。
免疫系が腫瘍細胞を攻撃するうえで、CD8陽性T細胞は中心的な役割を担います。CD8陽性T細胞は認識する抗原の異なる様々なT細胞クローンから構成されるため、抗腫瘍免疫応答にかかわるT細胞クローンの全体像 (T細胞レパトア) を解明することは腫瘍免疫学における新たな課題となっていました。近年、T細胞クローンの抗原特異性を規定するT細胞受容体 (T cell receptor: TCR) の配列を網羅的に取得する技術が確立し、抗腫瘍応答に関与するT細胞レパトアを理解することが可能となりつつあります。この総説の中で、青木さんはT細胞レパトアを解析するうえで有効な手法として「臓器間クローントラッキング解析」と「単一細胞TCRシークエンシング」を紹介しています。これらの手法により、抗腫瘍T細胞応答についての理解が深まり、新たながん免疫療法の開発につながることが期待できます。