松島綱治教授が2024年度 日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞を受賞されました。
松島綱治教授が2024年度 日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞を受賞されました。おめでとうございます。
2024年度 日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞を受賞されました松島先生よりメッセージを頂戴しております。
日本医療研究開発大賞 内閣総理大臣賞受賞
東京理科大学生命医科学研究所炎症・免疫難病制御部門 松島綱治
1月17日総理大臣官邸で2024年度の日本医療研究開発大賞の授賞式があり内閣総理大臣賞を受賞することができました。近畿大学名誉教授の義江修氏と協和キリン(株)との共同受賞です。炎症・免疫反応における普遍的・不可分な現象としての特異的白血球サブセットの組織浸潤を制御するケモカインのプロトタイプInterleukin-8(CXCL8)とMCAF/MCP-1(CCL2)の発見とその病態生理作用の確立に基づき、共同研究者(義江)と共に皮膚浸潤性の成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)にケモカイン受容体CCR4が選択的に高発現することを見出すことによりCCR4が治療標的となることを提示、協和キリンと共にanti-human CCR4 monoclonal Abを作成、協和キリンはこの抗体をヒト型化(IgG1)とFc領域の脱フコシル化によりNK細胞のFcgRIIIへの結合能を100倍以上高めることに成功しました。これをもとに臨床治験PhaseI&IIが実施され、劇的な効果を示すことより早期にがん領域での日本発・最初の抗体医薬として認可されました。その後、欧米においてもSezary症候群、Mycosis fungoidesなどの皮膚浸潤性T細胞リンパ腫にも認可され現在世界の58カ国・地域で使用されています。ATLは、高月清により発見され、日沼頼夫により原因ウイルスHTLV-1が同定され、吉田光昭らによりウイルスの全配列が決定され、私たちによって治療法も見出されたことになり、文字通り全て日本でこれらの仕事が完結したことになる稀有の疾患であります。
先人の跡を師とせず、先人の志を師とせよ!(志賀潔)
私を乗り越える社会実装に繋がる研究が本教室から創出されることを期待します。
2025年1月17日 松島綱治


